田舎への移住を決行したものの、後悔した理由

「のんびり田舎暮らしをしたい」。

都会に住む方の中には、こんな風に思ったことのある方も少なくないのではないでしょうか。

実際、近年、特に若者の田舎移住への関心は高まっており、思い切って田舎へ移住する方も増えています。しかし、後先考えずに田舎へ移住したことで、予想と大きく異なる環境に後悔してしまうケースもよく耳にします。移住先の住まい作りのお手伝いをしているクレアから、本記事ではそんな田舎暮らしで陥りやすい失敗や注意点を大きく4つ、お伝えします。


なぜ地方への移住が増えているのか?

近年、地方への移住者が過去最多を更新し続けています。丹波篠山市、丹波市への移住も増えてきています。なぜ、こういった地域への移住をする方々が急増しているのでしょうか?


こういった背景にあるのが、地方自治体による移住者への手厚い支援制度です。丹波篠山市も含め、近年、地域活性化を促すために移住者への助成金や補助金手当を充実させている自治体が多く、こういった制度に魅了されて移住する方の支えていると思います。また、子育て支援事業などで独自の支援を行っている自治体も多く、こういった制度に興味関心のあるとりわけ子育て世代を中心とした30代以下の若者が移住するケースが増えているのです。


参考:丹波篠山に住もう帰ろう運動推進事業 


さらに、都心から地方に移住する際、今までは窓口が地方にしかないケースも多かったのですが、近年は都市部にも移住相談窓口を設けたり年に数回移住セミナーを都心で開いたりする自治体も多く、昔に比べて「移住」に対するハードルが下がっていることも、地方移住者が増加している要因として挙げられるでしょう。


実は移住は後悔する?

ただ、田舎への移住を決行したものの、「後悔した・・・」となってからでは後の祭り。

そうならないためにも、本記事では移住経験者がどんな理由で失敗したと感じることをまとめていきます。


食事や通勤などのライフスタイルの変化

それを求めての移住も多いと思いますが自然豊かな場所に行けば行くほど、一般的には利便性が損なわれてしまう場合が多いです。

田舎は都会と比べて公共交通機関や商業施設、飲食店といった娯楽施設が少ないことが特徴です。「外食が日常」、「通勤はバスや電車を利用したい」、「休みの日はショッピングを楽しみたい」こういったライフスタイルを希望する方には、田舎の移住はおすすめできません。ただし、いわゆる都会まで1時間程度の移動で到着するようなエリアもあります。まさに、丹波篠山市は電車(JR)に乗っても1時間程度で大阪や神戸、京阪神に到着し、自家用車でも移動時間は同程度です。ただし、電車の場合、本数は限れられています。都会に近い田舎、田舎だけど都会に近いということから丹波篠山市やお隣の丹波市を「トカイナカ」と呼ぶ人もいます。(笑)


人間関係のこと

人によって、もしくは地域によっては、これがとてもとても大きなメリットにもなり、大きなデメリットにもなりうるポイントがこちらです。自治会の参加が強制ではないものの、田舎は近所付き合いも多く、閉鎖的な場所になると「うまく馴染めない」といったことも起きてしまう可能性があります。人付き合いが苦手な方は、時にプライベートに干渉してくる田舎での暮らしが負担に感じてしまうこともあるかもしれません。

一方で、気持ちのいいあいさつや、近所で野菜を分け合ったり、地域独自のイベントに参加できたりと、プラスになる人付き合いも多いのが田舎の特徴です。学校に通うお子さんがいれば、その付き合いはより深くなります。人間関係は田舎といえど切っても切り離せないポイントとなるでしょう。山の中のポツンと一軒家に住むのなら異なるでしょうが、高層マンションや都会のベッドタウン、ニュータウンのようなところで住むよりも、人間関係は深いものになることが多いでしょう。田舎への移住、という生活で自分が何を優先させたいかなど、予め考えておくことも必要と思います。


医療機関のこと

田舎にもよりますが、気候といった自然環境も都会と大きく異なる場合があります。そのため、突然の大雪や気温の変化が厳しいと感じる人もいるでしょう。例えば丹波篠山市は豪雪地帯ではないものの、冬季の朝は道が凍結する日が多くあります。田舎暮らし≒古民家、というイメージもあると思いますが昔ながらの古民家は決して断熱性が高い住宅ではありません。住まいの暑さ、寒さの対策は必ず検討しなければなりません。(住まい作りはクレアの得意なところです

また、生活必需品を揃えるためのお店も少ないことが多く、医療機関など生活に欠かせない施設が少ない場所もあります。特に高齢での移住をお考えの方は、医療機関の有無は切っても切れない条件となってきますので、予め移住希望地域の医療機関、そしてそこへのそこへの移動手段について調べておくことも大事かもしれません。自宅から公共交通機関だけで通えるのか、自分で運転していくのか、タクシーだとどれくらい必要なのか、移動手段と同様にどれくらい移動時間がかかるのか、これらは予め


お金のこと

田舎では家賃や食材などが都会よりも安いため、生活費を抑えることが出来るというイメージを持たれる場合が多いです。しかし、生活費を抑えられる反面、収入も減る傾向にあります。田舎は都会よりも求人が少なく、限られた職の中から選ぶことになるため、同職種でも移住前と同じ収入ではないかもしれませんし、企業数異なり希望する職種が通勤圏内に無い可能性もあるでしょう。結果的に移住前と同じ、もしくは移住前よりも厳しい経済状況になってしまう人もいます。ただしオンライン化、在宅勤務化も進んだことによって「都会へ通勤すること」が必須ではなくなってきているのも事実です。

また田舎特有の出費として、車に関連するものが多くあります。田舎では車移動がほぼ必須なので、夫婦の場合でも一人一台車を所有している必要があります。購入費用だけでなくガソリン代に加えて、車検や自動車税、消耗する部品代やスタッドレスタイヤ代など、多くの維持費もかかります。移住後の生活費についても想定した上で移住を検討しましょう。


まとめ

「住めば都」「郷に入れば郷に従え」という言葉もあります。田舎暮らしはお国が違うわけでもありませんし、クレアの過去のお客様の多くはこれらの言葉のとおり、新しい生活を愉しく過ごされているようです。上記のいずれの理由にして、どの地域にしても、どのような理由で移住されるか、移住する上での優先順位は何か、を時間が許すならばしっかりと調査、整理されることをお勧めします。ハードな部分は事前調査である程度、解決できると思います。移住先の住まいづくりもこちらに入ります。

地域やお隣さんがどんな人か、といったソフトな部分は、なかなか事前調査だけではわからないことも多いかもしれません。調べれば調べるほど、デメリットが目に付くかもしれません。環境や条件が合うのであれば、いきなり生活の全てを移すのではなく、2拠点生活から徐々にシフトしていくのも1つの方法かと思います。