観測史上最も早い6月の梅雨明け
「梅雨が明けましたね。」
この言葉を耳にすると、心も体も少し軽くなる気がしませんか?
じめじめした雨続きから、ぱっと広がる青空。
強い夏の陽射しが照りつけると、ああ、いよいよ夏本番だなと感じます。
けれどその一方で、梅雨明けは「快適な夏のはじまり」と手放しでは喜べない側面もあります。
カラッと晴れた空の裏には、高温や強い日差し、水不足の不安が隠れているからです。
暮らしの中でどんなことに気をつけたらよいのか、一緒に考えてみましょう。
湿気をしっかり追い出すタイミング
梅雨の間に家の中に染み込んだ湿気は、油断すると夏のカビやダニの温床になります。
特に押し入れやクローゼット、床下収納などの風通しの悪い場所には、
湿気がたっぷり残っていることが多いんです。
梅雨明け直後の晴れ間は、湿気を追い出すチャンス。
窓を大きく開け、扇風機やサーキュレーターを回して空気を動かし、
家の中の湿気を外へ逃がしてあげましょう。
また、布団やカーテンもこのタイミングでしっかり天日干しを。
一度すっきり乾かしておくと、夏の間のじめじめも怖くありません。
夏の陽射しは「味方」と「敵」
強い夏の日差しには、良い面と悪い面があります。
洗濯物や布団があっという間に乾くのは、とてもありがたいこと。
でも同時に、室温を一気に上げてしまう困った存在でもあります。
だからこそ、日差しを上手にコントロールする工夫が必要です。
- すだれやシェードを取り付ける
- 窓の外にグリーンカーテンをつくる
- 窓の内側に遮熱フィルムを貼る
こういったアイデアを組み合わせるだけで、体感温度がずいぶん違ってきます。
エアコンに頼りきりにせず、自然の工夫をうまく取り入れてみてください。
梅雨明け後に気をつけたい「水不足」
最近は、梅雨の雨量が少ない年や、梅雨明け後に極端な晴天が続く年も増えています。
そうなると心配になるのが水不足。
取水制限がかかったり、断水になる可能性もゼロではありません。
いざという時に慌てないように、
日ごろから節水の習慣を少し意識してみませんか。
たとえば、
- お風呂の残り湯を打ち水や庭の水やりに使う
- 食器のつけ置き洗いで洗剤も水も節約する
- 洗濯機の節水コースを活用する
こうした積み重ねが、水不足のリスクをやわらげてくれます。
そして、限られた水を大切にする気持ちは、
子どもたちにもきっと伝わっていくはずです。
農作物と私たちの暮らし
水不足や高温は、農家にとって深刻な問題です。
野菜や果物は、人間と同じで水と温度のバランスがとても大事。
高温続きで雨が少ないと、
- トマトの皮がかたくなったり
- きゅうりが曲がったり
- 稲の実が十分に入らなかったり
といった影響が出ます。
農家目線で考えると、
「夜の気温が下がらないと作物が休めない」とよく言われます。
野菜やお米も、人と同じで「夜の睡眠」が必要なんです。
こうしたことが起こると、
スーパーの野菜や果物の価格が上がったり、
品質が下がったりして、私たちの食卓にも影響します。
家庭菜園をしている方なら、
- 寒冷紗で直射を和らげる
- 株元のマルチングで水分を保つ
- 早朝や夕方に水やりする
などの工夫で、夏野菜を守ってあげてください。
夏のゲリラ豪雨や台風にも備える
もうひとつ、梅雨明けから夏にかけて注意したいのが
ゲリラ豪雨や夕立、台風です。
雨が少ないかと思えば、いきなり激しい雨が降る。
そんな極端な天気が増えているので、
暮らしの備えを少し整えておきましょう。
- 雨樋の詰まりを掃除しておく
- 側溝や排水口のゴミを取り除く
- 家の周りにある飛ばされやすいものを片付ける
このひと手間で、水害や風害のリスクをぐっと下げられます。
また、停電や断水があったときに備えて、
飲料水や非常食を数日分ストックしておくのもおすすめです。
夏を気持ちよく迎えるために
「梅雨明け=夏の到来」
このわくわくする気持ちはとても大切です。
せっかくの夏、思いきり楽しみたいですよね。
でも、その前に
- 梅雨の湿気をしっかり追い出して、
- 強い日差しと上手につきあって
- 水を大切に使い
- 災害への備えもしておく
そんな小さな心がけが、
この夏をもっと心地よく、安心して過ごすための
お守りになってくれるはずです。
そして、私たちの暮らしを支えてくれる農家さんや
地域の自然にも、少し思いを寄せてみてください。
気候が厳しくなると困るのは、人も作物も同じです。
この夏も、おだやかで、笑顔の多い毎日になりますように。