人気の平屋建て
「おしゃれだし平屋がいいな」
「平屋は風通しが良くて涼しいんでしょ?」
そう聞かれること、実際に少なくありません。
確かにワンフロアで段差がなく、家族の距離も近い。
どこにいても声が届きやすく、生活のしやすさは平屋の大きな魅力です。
でも、実際に平屋にお住いの方からこんな声をいただくこともあります。
「夕方のリビングがサウナみたいで、夜になっても熱気が残る」
「2階がない分、むしろ暑さが直撃する感じがする」
少し意外に思うかもしれませんね。
けれど、これは決して珍しい話ではありません。平屋には“夏に暑くなりやすい条件”があるのです。
ただし安心してください。理由を理解し、設計や暮らしに工夫を取り入れれば、平屋も快適に過ごせます。
平屋が暑くなるのは「屋根と暮らしの距離」が近いから
2階建ての家では、屋根と居室の間に「小屋裏」という空間があります。夏の強烈な日差しで屋根が熱せられても、まずは小屋裏に熱がたまる仕組みです。
2階建てのおうちでも、エアコンの効いたリビングから自分の部屋のある2階に向かうと。。。
階段から気候が違うのかと思ったことありませんか?(笑)
一方で平屋は、天井のすぐ上が屋根。屋根で受けた熱が、そのまま室内に伝わりやすい構造になっています。
特に勾配天井や吹き抜けリビングは開放的で人気ですが、熱を遮る“クッション”が少なく、結果的に夕方のリビングがサウナのようになることもあるのです。
小屋裏サウナの実態
想像してみてください。真夏の午後、外気温は35℃、屋根の表面温度は60〜70℃。
その熱が小屋裏に伝わり、空気温度を50℃近くまで押し上げます。
2階建てなら「2階が暑いな」で済みますが、平屋はその熱気がワンフロア全体に降りてきます。リビングもマイルームも1階ですよね。
「夜になっても冷えない…」と感じるのは、まさにこの“小屋裏サウナ”のせいなのです。
屋根形状で違いはある?──切妻とフラットを比較
よく聞かれるのが「切妻屋根とフラット屋根では暑さに違いがあるの?」という質問です。
切妻屋根
屋根勾配がある分、小屋裏に空気のボリュームが生まれます。熱はこもりますが、棟換気や軒裏換気を取りやすい構造のため、逃がす工夫がしやすいのが特徴です。
(トップ画像のような形の屋根が切妻屋根です)
フラット屋根・片流れ屋根
小屋裏の容積がほとんどないため、熱が直接室内に伝わりやすい形状です。容積が小さい分、短時間で温度が上がり、その熱が居室に降りやすいのです。
でも結論は…
確かに違いはありますが、決定的な差にはなりません。
切妻でも換気が弱ければ暑さは残りますし、フラットでも断熱・遮熱を徹底すれば十分に快適です。
👉屋根の形よりも大事なのは「断熱・遮熱・換気をどれだけ意識して設計するか」。
つまり、形より工夫の有無が暮らしの快適さを左右するのです。
平屋が“意外と暑い”その他の要因
屋根だけでなく、平屋には他にも暑さを感じやすい条件があります。
日射の直撃
全ての部屋が屋根直下にあるため、家全体が炎天下にさらされます。
風通しの難しさ
間取りによっては中央の部屋に風が抜けず、熱気の袋小路に。
できれば各部屋2方向に窓が取れれば、風の通り道になります。
さらに「風通し」を考えるときは、東西の窓配置が効いてきます。
勾配天井の熱だまり
開放感が人気ですが、熱気が天井付近にたまりやすい。
勾配天井に決まったならば、天井高を活かしたシーリングファンを設けておくと、熱気をかき混ぜて体感を改善できます。
これは案外、冬の方がありがたみを実感できるかもですよ。
近年は全館空調や小型の循環ファンを組み込む例も増えています。
クレアの施工する「地中熱利用換気システム」も全館空調(?)の一つです。
周囲環境
特に田舎の平屋は木陰や隣家が少なく、屋根も壁も直射日光をフルに浴びやすい。
落葉樹を南側や西側に植える、常緑樹を東・北の防風に配置するなど、自然の庇やブライン ドになるかも。
おそらく境界ギリギリ、での配置ではないと思うので、庇や外付けブラインドも有効ですね。
熱源の集中
キッチンや浴室など生活の熱がワンフロアに広がるため、分散しにくい。
こうした要因が重なって「平屋は暑い」と感じる人が出てくるのです。
成功例から学ぶ暑さ対策
1. 断熱材は“見えない投資”
あるご家庭では、屋根断熱を通常より厚く施工しました。完成後に伺うと、奥さまがこう話してくださいました。
「外はジリジリ暑いのに、家に帰ると“こもった熱”がなくて本当に楽なんです」
断熱材は完成してしまうと見えない部分ですが、ここに投資するかどうかが住み心地に直結します。
2. 小屋裏換気で数℃違う
棟換気と軒裏換気を組み合わせたケースでは、小屋裏の温度が体感でも下がり、エアコンの効きが良くなったと喜ばれました。
「夏場の電気代がご近所さんよりも大分低い」という声も。自然換気の設計力が効いている好例かもしれません。(ただしいろいろな条件に拠りますが)。
3. 日射遮蔽は一石二鳥
ソーラーパネルを設置したお客様からは「電気代が減ったのも嬉しいけど、屋根の直射を遮る効果が意外と大きい」とのお声。
軒を深くしたり、遮熱塗装を使ったりする工夫も同じで、直射を減らすだけで快適性が変わります。
4. 暮らし方の知恵も大事
設計だけでなく、暮らし方の工夫でも体感は変わります。
夜は窓を開けて熱を逃がす。昼は遮熱カーテンで日射をカット。サーキュレーターで天井付近の熱を撹拌する。
ちょっとした習慣が「夏を乗り切れる家」へと導いてくれるのです。
丹波篠山の夏だからこそ
私たちの地元・丹波篠山は、自然が豊かで夜は涼しい風も入ります。
けれど、昼間の暑さは盆地特有の蒸し暑さで、気温以上に体感が厳しいのが特徴です。
だからこそ、この地域で家づくりを考えるなら「断熱・遮熱・換気」を外せない。地域の気候に合わせた工夫が欠かせません。
平屋は本当に暑い家?
ここまで読むと「やっぱり平屋は暑いのかな」と思うかもしれません。
でも大切なのは、「暑くなりやすい条件を知って備える」こと。
屋根の形や間取りはもちろん大事ですが、それ以上に見えない部分への配慮が家の快適さを決めます。
断熱・遮熱・換気をしっかり計画すれば、平屋はむしろ「ワンフロアで暮らしやすい理想の住まい」に変わります。
じゃないと、雑誌の特集になるほど流行らないです(笑)
平屋は屋根との距離が近く、日射や熱源の影響を受けやすいため「暑い」と感じる人もいます。
でも、断熱や遮熱、換気、風通しといった工夫を取り入れることで、その弱点はしっかり克服できます。
条件にもよりますが、同じ延べ床面積のおうちだと四角の総2階のおうちのほうが、コスパはいいかもしれません。
四角な総2階のお家でも工夫でおしゃれになったり、住みやすい動線を作ることは可能ですが、やはり平屋建てほどの自由度はありません。
どちらがいいかは、もちろんお客様によります。建物の希望があったとしても、そのカタチが土地に合うかどうかもあります。(サイズや方角、接道条件など)
有限会社クレアでは、丹波篠山の夏の暑さを熟知しているからこそ、屋根断熱や小屋裏換気を考慮してご提案させていただきます。
「平屋に住みたいけれど夏が心配」という方は、どうぞ遠慮なくお気軽にご相談ください。

