こんにちは。今日は、「和室を洋室にリフォームする」というテーマで、現場で感じてきたことや、お客様からよくいただくご相談をもとに、お話ししてみたいと思います。
和室という空間は、日本の住まいにおいて長く親しまれてきた大切な文化です。けれど、現代の暮らしの中では「どう使えばいいかわからない」「掃除が面倒で…」といったお声を耳にすることも増えてきました。
そんな時、選択肢のひとつとして出てくるのが「洋室へのリフォーム」です。私たちが実際に手がけてきた現場でも、この“和室の洋室化”はとてもニーズが高まっています。
なぜ、和室から洋室に変える人が増えているのか?
暮らしのスタイルは、時代とともに変わっていきます。
昔は畳に布団を敷いて眠るのが当たり前でしたが、今はベッドが主流です。椅子やソファも増え、フローリングの方が家具を置きやすいという理由もあります。小さなお子さんやご高齢の方がいるご家庭では、段差の少ない洋室の方が安全に暮らせるというメリットも大きいですね。
また、「リモートワークのスペースとして使いたい」というご相談も増えました。畳の部屋は雰囲気はあるけれど、キャスター付きの椅子が引っかかってしまう…なんてこともよくあるんです。
そんな風に、“和室”という空間が、暮らしの中で「使いづらくなってきた」と感じたとき、洋室へのリフォームが新しい選択肢になります。
和室を洋室にリフォームすると、こんな良さがあります
実際に和室を洋室に変えてみると、「もっと早くやればよかった!」と喜ばれることも多くあります。
■ 掃除やお手入れが楽になる
畳は風合いが魅力ですが、ダニ対策や表替えなど、こまめな管理が必要です
フローリングに変えると、掃除機やワイパーで手軽に掃除でき、ペットやお子さんのいるご家庭でも快適に使っていただけます。
■ 家具の配置がしやすくなる
ベッドやソファ、デスクなどを自由に配置できるようになり、空間の使い勝手が大きく変わります。押入れをクローゼットに変更すれば、収納力もアップ。
■ バリアフリーにも対応しやすい
段差をなくしてフラットな床にすれば、転倒リスクが減り、高齢のご家族にもやさしい空間になります。手すりの設置なども検討しやすくなりますよ。
とはいえ、気をつけたいポイントも
もちろん、メリットだけではありません。実際の工事の前に「知っておいてよかった」と言われるポイントも、いくつかあります。
■ 冷え対策はしっかりと
畳に比べて、フローリングは冬に冷えやすいです。断熱材をしっかり入れる、もしくは床暖房を検討するなど、寒さ対策は丁寧に。
■ 音の響きが気になるケースも
フローリングにすると、足音や物音が響きやすくなる場合があります。特に集合住宅では、防音性を考えた素材選びが大切です。
■ “和の雰囲気”を残したいときは
「全部洋室にすると、なんだか味気ないかも…」という方には、和のテイストを残した“和モダン”スタイルがおすすめです。
建具の一部を残したり、照明に和紙風の素材を使ったり。そうした工夫で、落ち着いた空気感はそのままに、現代の使い勝手に合わせることができます。
気になる費用の目安は?
「和室を洋室にリフォームすると、いくらくらいかかるんですか?」というご質問は、現場でもよくいただきます。
もちろん、工事の内容やお部屋の状態によって前後しますが、たとえば6畳の和室を洋室に変更する場合、だいたい20万円から60万円前後が目安になります。
たとえば、畳を撤去してフローリングに張り替える工事だけでも、10万円〜25万円ほど。壁や天井のクロスの貼り替えには5万円〜15万円ほどがかかります。押入れをクローゼットに作り変えるとなると、これも5万円〜10万円前後。さらに、襖を洋風のドアに替えたり、照明やコンセントの位置を調整したりすると、その分の費用も加算されます。
リフォーム内容をしっかり組み立てることで、予算に合わせた柔軟なプランも可能です。お住まいの地域によっては、バリアフリー化や省エネ改修に対して補助金が出ることもありますので、その点も含めてまずは気軽にご相談いただければと思います。
工事の流れはどうなるの?
ご相談から完成までの流れは、だいたい以下のようなイメージです。
- 現地調査・ご相談
- プラン作成・お見積もり
- 工事(6畳程度で約1週間〜10日が目安)
- 完成・お引き渡し
その間も、私たちはできる限り現場に足を運び、仕上がりの確認やご要望の調整を行っています。お客様が安心して完成を迎えられるように、そこは大切にしている部分です。
最後に:リフォームは「今の暮らし」に合わせていい
和室には、和室の良さがあります。でも、「今の暮らし」に合わなくなってきたと感じたなら、それを変えていくことに遠慮はいりません。
リフォームは、暮らしをより心地よくするための前向きな一歩です。
そして私たちの役割は、「この先も、ずっと気持ちよく暮らせる空間」を一緒に考え、ご提案すること。
家は、人の暮らしとともに変化していい——そんな想いを大切に、これからも一つひとつの住まいに向き合っていきたいと思っています。