いまさら聞けない地盤改良の話【丹波篠山市|有限会社クレア】

あなたの家を支える「見えない安心」


家づくりにおいて「基礎」はとても大事です。

でもその「基礎」を支える地盤は、もっと大事かもしれません。


どんなに立派な家をつくっても、下にある土が軟弱で沈んでしまったら元も子もないですよね。

だからこそ、地盤調査と地盤改良は、家を守るために欠かせない第一歩なのです。


「地盤改良って言うけど、そもそも必要なの?」

「どのくらい費用がかかるの?」

「改良しなくても大丈夫な土地はある?」


そんな疑問を持つ方へ、今回は地盤改良の考え方をわかりやすくお届けします。


そもそも「地盤改良」って何?


地盤改良とは、家を建てる地面の強度を補強する工事のこと。

調査で「弱い」と判断された地盤に、人工的に杭や固化材を打ち込み、建物を支えられるように強くします。


なぜ必要かというと、地盤が弱いまま家を建てると

・不同沈下(片側だけ沈む)

・傾き

・建物のゆがみ

など深刻なトラブルが起きる可能性があるからです。


地盤の硬さは、パッと見ただけでは分かりません。

ですので、新築前には必ず「地盤調査」を行い、必要に応じて改良を計画するのが基本です。


地盤改良の種類


改良工事にはいくつか種類があります。

ここでは代表的な3つをご紹介しましょう。


① 表層改良工法

深さ2m程度までの土を掘り返し、セメント系の固化材を混ぜ込んで固める方法。

比較的浅いところだけ補強するので、コストも抑えられます。

ただし軟弱層が深い場合には不向きです。


② 柱状改良工法

地面に穴をあけ、そこへセメント系固化材を注入して円柱状の柱をつくるイメージ。

地中に何本もの柱を立てて家を支えるので、強度は高く、住宅地ではかなり一般的です。


③ 鋼管杭工法

鋼管(鉄のパイプ)を地中に打ち込み、強固な支持層まで届かせる方法。

地盤がかなり弱く、さらに支持層が深い場合に採用されることが多いです。

重機や杭打ち機を使うので費用はかかりますが、その分安心感は抜群。


改良する・しないの判断は?

「改良って、なんだか高くつきそう…」

とためらう方もいますが、

逆に言えば、地盤改良をしないまま家を建てるほうがリスクは大きいです。


ただし、調査の結果「十分な地耐力がある」と判定されれば、改良は不要。

粘土質の地盤でも地層の安定度合いによっては補強なしで建てられるケースもあります。


改良工事の費用は

おおむね50万〜100万円前後が一般的ですが、

鋼管杭など大掛かりになると200万円以上になることも。


「必要最低限で抑えたい」という気持ちは分かりますが、

地盤改良はあくまで「家を守るための保険」として考えておくと良いと思います。


地盤調査の進め方

では、実際どんな流れで調査・改良をしていくのでしょう。


地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験など)を実施

結果をもとに構造計算、又は判定

改良が必要なら、そのプランを決定

施工会社や地盤保証会社のチェックを受ける

基礎工事へ着手


最近では、地盤保証とセットになった住宅も多く

「10年間不同沈下しません」という保証書をもらえるケースがほとんどです。

保証を受けるためにも、調査と改良は不可欠と言えます。


地盤改良にまつわる誤解

地盤改良の現場で、よくこんな声を耳にします。


「昔から家が建ってる土地だから大丈夫」

「隣の家も沈んでないから安心でしょ?」


…ちょっと待ってください。


家が建っている=地盤が強い、とは限りません。

むしろ古い木造住宅は「軽い」ため、それほど沈下しなかっただけで

重量のある現代の住宅を建てたとたんに沈む例もあります。


また、盛土造成地などは

見た目は平らでも下に軟弱層が眠っていることがあり

同じ分譲地内でも地盤強度に差があるケースが珍しくありません。


「お隣が大丈夫だから自分も大丈夫」

これは大きな誤解。

必ず地盤調査をして、自分の敷地の状態を把握しておくべきです。


住まいを守る「縁の下の力持ち」

地盤改良は、住む人の目にはほとんど触れません。

でも、だからこそ家の一生を支えるとても大切な仕事です。


立派な外観や間取りの工夫に目を奪われがちですが、

まずは「地盤」を知ることから始めてほしい。

それが家族の未来を守る第一歩だと思います。


瑕疵担保保険と地盤改良の関係

ここで少し、住宅の「瑕疵担保保険(かしたんぽほけん)」についても触れておきましょう。


新築住宅を建てるとき、構造上の重大な欠陥や雨漏りなどに対して

10年間は保証する仕組みが法律で義務化されています。

これが「住宅瑕疵担保責任保険」と呼ばれるものです。


この保険を使うためには

家の基礎がきちんと地盤に適合しているか

がとても大切になります。


もし不同沈下で家が傾いた場合、その原因が

「地盤調査不足」や「適切な地盤改良をしていなかった」

と認められると、保証の対象外になる恐れもあります。


つまり、

  • しっかり調査して
  • きちんと補強して
  • 書類に残す


こういった地盤に関する工程をきちんと踏むことが

結果的に瑕疵担保保険で守られる家になるために不可欠なのです。


お金も手間もかかる地盤改良ですが、

後から後悔しないための大事なステップだと

ぜひ覚えておいてください。



未来の安心を、足元から


家の足元には、目に見えない物語があります。

その物語にしっかり向き合うことで

家は何倍も強く、安心できる場所になる。


地盤調査をして、必要があればきちんと改良する。

それは「家の長生きの秘訣」と言っても過言ではありません。


そしてもし費用のことで迷ったときには

「家族を守る保険」として受け止めてみてください。

きっと納得できるはずです。


次回は、具体的な地盤保証の仕組みや

不同沈下が起きたときの補修例についても

お伝えしていきたいと思います。


家は、一生のパートナー。

だからこそ、縁の下の力を大切にしていきたいですね。