海外移住より田舎移住?【丹波篠山市|有限会社クレア】


異国の夢より、足元の楽園に気づいた日


「いっそ海外に住んでみたいなぁ」

そんな言葉、耳にしたことはありませんか?


物価高、働き方の見直し、教育への不安、そして価値観の変化…。ここ数年、「海外移住」に心が揺れる人が確実に増えてきた印象です。

SNSでもよく見かけます。「マレーシアでのんびり老後」「バリでリモートワーク」「ポルトガルで教育移住」など、魅力的な暮らしが紹介されるたびに、こちらもふわっと心が動いてしまう。


でも、ふと足元を見てみるとどうでしょう?

意外なほど近くに、思った以上に“豊かな場所”があるかもしれません。


今回は「海外移住 vs 田舎移住」というテーマを扱いつつ、どちらかを否定するのではなく、「田舎暮らし」というもうひとつの選択肢に光を当ててみたいと思います。


憧れの海外移住。その一歩手前で考えたこと


海外移住って、やっぱり夢がありますよね。

異国の空気、文化の違い、人との出会い…すべてが新鮮で、人生をリセットできるような気がする。


でもいざ動こうとすると、現実は意外にハードです。


  • ビザや就労許可などの手続きの複雑さ
  • 医療や保険制度の違い
  • 言葉や文化の壁、教育環境への不安
  • 日本にいる家族や親との距離
  • 為替や情勢の影響を受けやすい経済的不安定さ


これらをクリアできる人ももちろんいますが、多くの人にとっては“思い切り”だけでは乗り越えられない現実が横たわっています。


そんなとき、「日本の中でも、暮らし方を変える方法があるのでは?」と気づく瞬間がある。

それが、田舎への移住という選択肢です。


実は“異文化”に出会える場所、それが田舎


「田舎」と聞いて浮かぶのは、のどかな風景や穏やかな人々、自然との共存かもしれません。

でも実際は、それ以上に“文化的な違い”に驚くことが多い。


  • コンビニが22時に閉まる
  • ゴミ出しルールが地域ごとに異なる
  • ご近所付き合いの密度が都市部とは違う
  • 畑の草のことまで気にかけてくれるご近所さん


こうした“ちょっとした戸惑い”の積み重ねが、価値観をリセットする体験になります。

つまり、海外に行かずとも「自分の暮らしを見直す旅」は、田舎でも十分に可能なんです。


ペットとの暮らし、それも“田舎移住”の魅力のひとつ


田舎で暮らすようになって、家族も変わりました。

これはよく聞く話。

さらに、犬や猫たちの表情がまるで違う。


散歩は田んぼ道や山すその小径。

車も少なく、空気は澄んでいて、季節ごとの匂いが風に乗って運ばれてきます。

わんこにとっては、毎日が冒険そのものです。


猫にとっても、田舎は宝の山。野鳥の声、虫の羽音、陽だまり。

そして、家の中でも陽が差し込む場所を見つけてはくつろぐ。自然との距離が近い分、猫たちも感覚が研ぎ澄まされるように見えます。

(最近は完全家猫のお宅が多いですが)


スペースにも余裕があるので、ストレスも少ない。

動物病院が近くにない不安はありますが、田舎には昔から頼られている獣医さんがいて、むしろ安心感が増す場面もあります。


人とペットがともに「本来の姿」で暮らせる場所。

田舎には、そんな空気が自然に流れています。


土に触れるよろこびと、食卓の変化


田舎に暮らし始めて実感するのが、「土との距離」がぐっと近くなること。


週末ベランダで育てていたミニトマトが、いつの間にか畑で季節ごとの野菜を育てる暮らしに。


家庭菜園は、食費が浮くというレベルの話ではなく、生活そのものが豊かになります。


朝採れ野菜のシャキシャキ感に感動


子どもと植えて育てて収穫する喜び


ご近所さんとの苗や収穫物の交換


スーパーでは手に入らない野菜への挑戦


「今日は何作ろう?」という問いかけが、台所の中だけでなく“暮らしそのもの”に彩りを加えてくれます。


本格的な農業でなくてもいい。

小さなプランターでも十分。

「育てる」という営みが、確実に暮らしを変えてくれます。


コストと安心感のちょうどいいバランス


確かに、海外には物価が安い国もあります。

でも、その裏には治安や医療、制度の違い、そして為替の不安定さというリスクも。


その点、田舎暮らしには“日本の制度”という安心感がベースにあります。


たとえば丹波篠山市のような地域では、


  • 空き家バンクでの住まい探しが現実的な価格で可能
  • 地産地消で、食費も自然と節約に
  • 保育・教育・医療も顔が見える関係性で安心
  • 地域での見守りがあり、自然災害時にも助け合いがある


「知らない土地」という点では海外も田舎も同じ。

でも、日本語が通じるだけで安心感はぐっと上がります。


失敗しない田舎移住の心得5選


田舎暮らしには魅力がたくさんありますが、「思っていたのと違う…」という声もあるのが現実です。

でも、少し視点を変えれば、“後悔しない移住”に近づくことはできます。

ここでは、そんなヒントとなる5つの心得をご紹介します。


❶「理想」は、ゆっくり育てるもの


“古民家カフェみたいな家に住みたい”

“毎朝、小鳥のさえずりで目覚めたい”


そんな素敵な夢を持つのは大歓迎。でも、それを最初から全部叶えようとすると、無理が出てしまうことも。

まずは「暮らしてみる」ことを優先に。

理想は、少しずつ形にしていくくらいがちょうどいいのです。


❷「不便=不幸」ではない


スーパーがちょっと遠い。電車が1時間に1本。ネットがちょっと遅い。

そんな“小さな不便”に目が行きがちですが、そのぶん「時間に追われない日常」や「人の温かさ」に出会えることも。


田舎には“便利さ”とは別の価値がちゃんとあります。


❸ ご近所さんは“ゆるやかな仲間”


田舎の人づきあいは、たしかにちょっと濃いかもしれません。

でも、無理して打ち解けようとしなくても大丈夫。

まずは「おはようございます」「こんにちは」の挨拶から。

少しずつ距離を縮めていければ、それで十分です。


ほどよい距離感で、ゆるやかに仲間になっていく。

それが田舎流の“人との関係づくり”です。


❹「仕事」は暮らしの一部と考える


移住するとなると、「仕事どうしよう?」という不安は大きなものです。

でも、いまはリモートワークや副業、地域の仕事など、選択肢も広がっています。


“お金を稼ぐ”という視点だけでなく、

“誰と、どこで、どう関わっていたいか”という視点で考えると、田舎での働き方のヒントが見えてきます。


❺ 最初は“おためし”でOK


いきなり家を買って、移住して、すべてを変える…というのは勇気がいります。

だからこそ、最初は「おためし移住」や「2拠点生活」からでもいいのです。


住んでみて、感じてみて、「やっぱりいいな」と思えたら、次の一歩へ進めばOK。

田舎暮らしは、じっくり馴染んでいくものだからこそ、焦らないことが何より大切です。


遠くの理想より、足元のリアル


「もっと自由に」「もっと自然に」「もっと自分らしく」

そんな願いを抱えて、海外に目が向くのは自然なことかもしれません。


でもその願い、本当に“海外”でしか叶えられないでしょうか?

実は、ほんの少し目線を変えるだけで、手が届く場所にあるのかもしれません。


それが、日本の田舎です。


異国に行かなくても、暮らしは変えられる。

田舎には、新しい価値観と静かな豊かさが、ちゃんと待っています。


「海外移住」、その言葉に惹かれたことのある方こそ、

ぜひ一度、田舎という“もうひとつの選択肢”を見つめてみてほしいのです。